パッケージの原材料表示のからくりを知って良質なキャットフードを選ぼう

パッケージの見方
キャットフードのパッケージにはいろいろな情報が書かれていますが、ペットフード公正取引協議会で表示義務があると定められているのは次の9項目です。
- ペットフードの名称
- ペットフードの目的
- 内容量
- 給与法
- 賞味期限
- 成分分析値
- 原材料名
- 原産国名
- 事業者名及び住所・所在地
(引用 食識推進委員会 編 『いぬ・ねこの正しいごはん』 オーム社 平成21年 P84
)
ペットフードの名称
「ペットフードの名称」は、キャットフードやドックフードという表示です。猫用の商品なら、もちろん「キャットフード」と記載されます。
ペットフードの目的
「ペットフードの目的」は、このキャットフードが「総合栄養食」・「間食(おやつ)」・「その他の目的食」のどれに該当するのかを示したものです。「総合栄養食」は猫が必要としている栄養素がすべて含まれているので、このフードと水を与えれば健康を維持できるようになっています。毎日与えるフードには必ず「総合栄養食」と書かれたキャットフードを選びましょう。
内容量
製品の量がgやkg(mLやL)で書かれています。大袋のキャットフードはg単価が安い傾向にありますが、パッケージを開けた瞬間から風味が落ちていきます。新鮮なうちに食べきれる量のキャットフードを選びましょう。
給与法
1日に何回与えたらよいのか、どれぐらいの量を与えたらよいのかが書かれています。総合栄養食の場合、ライフステージごと、体重ごとに与える量を変えて表記してあります。間食なら食べすぎを防ぐための限度量が書かれています。これを守らないと猫が肥満や栄養不足になってしまいます。
賞味期限
パッケージの賞味期限は「未開封で保存状態が適していた場合」の日付です。開封後はなるべく早く使い切るようにしましょう。また他に比べて長すぎる賞味期限が設定されたキャットフードは人工的な添加物がたくさん含まれている可能性がありますので注意が必要です。
成分分析値
キャットフードに含まれている主要な栄養成分を重量比(%)で示しています。猫にとって重要な栄養素である「たんぱく質」や「脂質」は~%以上という最低量を表示しています。これらの栄養成分が表示されていることでAAFCOの栄養基準などに照らして、適切な栄養成分が守られているかどうか飼い主が判断することができます。
原材料名
キャットフードに含まれている原材料や添加物が書かれています。フードに使用しているものはすべて表示しなければなりません。ここで有害な添加物が使われていないか、怪しい原材料はないかをチェックできます。また使用している割合の多い原材料から書くことになっていることも知っておきましょう。肉食の猫に必要な動物性の原材料が表示のトップに来ているかどうかは良質なキャットフード選びに欠かせないポイントです。
原産国名
原産国名はキャットフードの最終加工がおこなわれた国の名前です。よってここに「日本」と書かれていても、原材料のすべてが国産とは限りません。
事業者名及び住所・所在地
キャットフードの製造事業者や輸入者または販売者名が記載されています。
法律では全てに記載の義務があるわけではない
上記の9項目の中で、ペットフード安全法で定められているのは、「ペットフードの名称」、「賞味期限」、「原材料名」、「原産国名」、「事業者名及び住所」の5項目です。この5項目はもしキャットフードに問題が起きたとき原因を究明するのに必須の要素ですから、法律でしっかり規制されているのです。
しかし、ペットフード公正取引協議会が表示義務としている9項目が載っているフードの方がよりしっかり消費者に情報を伝えようとしていると考えられます。必要最低限の情報しか載せていないメーカーよりも、さらに細かい情報を記載しているメーカーの方が、より安心、信頼ができると感じるでしょう。
他にも見るべきポイント
表示義務はなくとも、より詳しい情報が書かれているか確かめることもよいキャットフード選びのポイントの一つといえます。
強調されているワード
原材料表記の横に「国産」「無添加」「カロリー控えめ」のように、商品のセールスポイントが目立つように記載されていることがあります。パッと見ても分かるようなデザインが多いため、何を飼えばいいのか分からないという時はこういったキーワードが非常に便利です。ただし、購入の際は誇張表現ではないか注意深く原材料表記と照らし合わせましょう。
代謝エネルギー
キャットフードにはMEという単位が表示されていることもあります。MEとは猫の代謝エネルギーのことです。主に「ME〇〇kcal/100g」という形で書かれ、キャットフード100g中に(便などで排出される分を除いて)実際に猫が吸収できるエネルギーがどれだけなのかを示した値です。
代謝エネルギーの数値が高い方が消化吸収の良い製品です。食が細い猫にはMEの値が大きいもの、食欲旺盛で肥満が心配な猫にはMEの値が小さいものを選んであげると良いでしょう。
値段
原材料だけでなく、値段もよく見ましょう。使用されている原材料に対してあまりにも値段が安すぎる場合、もしかしたら粗悪な原材料を使っているのかもしれません。また、「ヒューマングレード」表示を売りにして、不当に値段を釣り上げている可能性も0とは言い切れません。
値段とキャットフードの価値が釣り合っているか、もう一度よく考えましょう。