ヒューマングレードキャットフード

ヒューマングレードキャットフードとは
価格の高いプレミアムキャットフードの中にはヒューマングレードキャットフードという種類のものがあります。これはどういった意味なのでしょうか?ヒューマングレードキャットフードとは人間の食品と同じ基準で原材料を選定したフードのことです。
ヒューマングレードでないキャットフードの懸念
なぜヒューマングレードのフードに需要があるのかというと、キャットフードに使われている原材料のなかには人間の口にはとても入れられない物を使っている場合があるからです。
4Dミート
たとえば病気の動物、死んだ動物の肉などゴミ同然の肉を指す「4Dミート」と呼ばれる原材料は、人間の食用にはとても使えない品質の肉です。原材料費を安く上げることができるため、ホームセンターなどで売られている激安キャットフードにはこの「4Dミート」が使用されている可能性が極めて高いのです。ミートミール、家禽類副産物といった何の肉かわからない正体不明の原材料には要注意です。
大量の添加物
また添加物についても同様です。日本では「ペットフード安全法」という法律があり、ペットフードに使われる原材料を規定しています。しかしこの決まりは人間の食用基準ほど厳格ではありません。例えばエトキシキンという添加物は強力な酸化防止剤ですが、発がん性物質として危険が指摘されており、人間向けの食品には使用できません。しかし「ペットフード安全法」では上限付きとはいえ、キャットフードへの使用が認められているのです。
栄養基準を満たす=安全ではない
ペットフードの基準としては、ペットフード安全法の他にもAAFCO(米国飼料検査検査官協会)の栄養基準があります。しかし、AAFCOはあくまでもペットフードにふさわしい栄養構成を示しているだけです。良質な肉でも粗悪な肉でもタンパク質には違いないため、「AAFCO基準をクリアしている」とパッケージに書かれていても安心することはできません。栄養構成から原材料の安全性をうかがい知ることはできないからです。
ヒューマングレードは一つの指標
キャットフードの原材料はパッケージの表示だけで安全性を確認することが難しくなっています。キャットフードの安全性にもいろいろな定義があるかもしれません。しかし一番わかりやすい指標はやはり飼い主である人間が口にできるということです。つまり、ヒューマングレードキャットフードならば、少々高価でも原材料に安全性が高いものを使用していると考えられるのです。
猫の食性も配慮する
人間の食べられるものすべてが猫の体に良いものとは限りません。例えば米や小麦などの穀物は人間の主食ですが、猫にとっては消化に負担のかかる原材料です。肉食の猫は雑食の人間と違い、食べられなかったり栄養をほとんど摂取できない食品の種類が多いのです。
こういった事情をふまえるとキャットフード選びにはヒューマングレードというだけでなく、猫の体に優しいグレインフリー(穀物不使用)であるか、主要成分としてどの程度の動物性タンパク質を使用しているかといった「猫という生き物」に合わせて作られているかどうかを検討することが大事になってきます。
定義がまだ曖昧
実は、ヒューマングレードキャットフードという名称にまだ明確な定義はありません。ヒューマングレードを満たすための基準も定かではないため、各メーカーが商品を売り込むためのPRとして使用している呼び方でもあります。
原材料の安全性としてはトレーサビリティシステム(キャットフードの原材料から加工過程、流通経路までを確認できるシステムのこと)を整備しているか、製造工程を公開しているかといった別の見方での確認も大事です。