いつものキャットフードを食べてくれない…食欲不振のさまざまな原因

食べないのには理由がある
最近までおいしそうに食べていたキャットフードなのに、急にご飯を残すようになった、食いつきが悪くなった…としたら心配ですよね。猫の食欲不振はどういったときにおこるのでしょうか。
キャットフードに飽きた
猫は1種類のキャットフードを食べ続けていると突然そのメニューに飽きてしまうということがあります。わがまま、といえばそれまでですが猫自身がキャットフードによる栄養の偏りを察知して別の食事を要求するという説もあります。
このような場合は別のキャットフードを与えることで解決します。同じキャットフードにこだわってそれ以外のフードを受け付けない「偏食」の猫は、何かの事情でお気に入りのフードが手に入らなくなると大変なことになります。飽きた時のことも考えて、もともと複数のフードに慣れさせておきましょう。ただし、猫の機嫌を取ろうとしてフードをころころ切り替えていては猫がどんどん贅沢になってしまうので、数種類のフードでローテーションを組むとよいでしょう。
成長期が終わった
人間同様、猫も子供のころは体の成長のためにたくさんの栄養を必要とし、食事の回数も多いものです。しかし、成猫期に差し掛かると出来上がった体を維持するためだけのエネルギーで間に合うようになり、今までのようにたくさんのカロリーを摂取することはなくなります。その食事量の減少が食欲不振と誤解されることがあります。
この場合は、適切な量に減らしましょう。ほとんどのキャットフードのパッケージには年齢に合わせた一回の食事の量が記載されています。その数値を目安に猫の様子を見つつ量を減らしてください。
環境が変わった
猫は環境の変化を嫌う動物です。引っ越しや新しい猫が増えたなど、環境の変化は猫に多大なストレスをもたらします。いつもとちがう来客があったといったレベルでも、食欲不振を起こすことがあるのです。
食事環境においても同様です。キャットフードは変えていないけれど、フードを入れる食器を変えたということはありませんか?ひげが食器のふちに触るのを嫌がってキャットフードを食べない子もいます。猫が嫌がっていることがないか、注意深く観察しましょう。環境に慣れれば自然と食欲は戻ってきますが、あまり深刻な場合はストレスを和らげるサプリメントなどを用いてみましょう。
季節のせい
猫には「食欲周期」というものがあり、4か月ごとに摂取するカロリーの量が切り替わるといわれています。これに伴い体重や食べるキャットフードの量も変動します。夏場は少食になることが多いですが、季節性のものならあまり気にしなくても大丈夫です。
他にも繁殖期を迎えた猫は性欲が強くなる一方で、食欲が減退します。妊娠初期の雌猫も同様です。食欲が無いからといって妊娠中の猫が食べないでいると、お腹の中の赤ちゃんもお母さんも栄養不足になってしまいます。栄養価と嗜好性が高いフードを与えて、食欲がなくてもしっかり栄養を補給できるようにしましょう。
病気に罹っている
食欲不振の原因が病気という可能性もあります。成猫(1歳以上)が24時間以上なにも口にしなかった場合は緊急事態と考え、動物病院を受診してください。徐々に食事量が減って、改善が見込まれない場合も同様です。
食欲不振を起こす病気は、ネコウイルス感染症、猫エイズウィルス感染症、猫伝染性腹膜炎、胃腸炎、寄生虫症など様々。命に係わる病気も多いので早めの処置が肝心です。また異物を飲み込んだり、頭を打っていたりという場合も食欲不振を起こすことがあります。病院で原因を調べてもらってください。
よそのうちでご飯をもらっている
外に出すことがある猫は、よそのお宅に紛れ込んでちゃっかりご飯をもらっているのかもしれません。食欲不振なわけではなく、実はすでに満腹だったということもあります。その時は無理食べさせようとすると、逆に肥満になりやすくなります。
ずっと食べない時は病院へ
食欲不振には様々な原因がありますが、長引くようならやはり病院で診てもらうことが必要になります。なぜなら絶食状態の猫は脂肪を肝臓に送り、エネルギーを作ろうとするからです。その結果肝臓では処理できないほどの脂肪が蓄積され、命に関わる病気―肝リピドーシスになる危険性があるからです。
まずは食べない理由を考えよう
キャットフードを食べない理由は、単なる猫のわがままだけではありません。季節の変わり目や成長期の変化などすぐに対応できるものから、ストレスや病気など深刻な問題を孕んでいるものまであります。まずはなぜ猫がキャットフードを食べないのか原因を考え、それから正しく対処していきましょう。