キャットフードの酸化を防ぐための加工・工夫

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酸化したキャットフードは猫の体に悪影響を及ぼします。そのためキャットフードには製造過程で様々な酸化防止対策を行っています。しかし、酸化防止剤の中には危険なものも存在するのです。キャットフードに含まれている酸化防止加工について知っておきましょう。

酸化防止剤の使用について

酸化防止剤を原材料に配合するのはポピュラーな酸化防止対策といえます。ドライキャットフードの場合、油脂原料にあらかじめ酸化防止剤を配合しておきます。そして原材料を熱加工後、あらためて酸化防止剤を振りかけ酸化対策をしています。

BHT

ジブチルヒドロキシトルエンという物質です。安価な酸化防止剤として使用されてきましたが、動物に対する発がん性があることが指摘されています。もともとは石油の酸化防止に使われていたもので、食品用ではなかった添加物です。キャットフードには150μm以下なら使用してよいことになっています(ペットフード安全法規定)。

BHA

ブチルヒドロキシアニソールという物質です。発がん性やDNA異常などが報告されたBHTに代わって使用されるようになりましたが、こちらも発がん性などの危険が指摘されています。BHTと同じくキャットフードでは150μm以下なら使用してよいことになっています(ペットフード安全法規定)。

エトキシキン

農薬として用いられていた安価で強力な酸化防止剤です。奇形児の原因となるなど危険性が大きい物質であるとして人間の食品に添加することは禁止されています。人間が食べる家畜の肥料への残存量も1μm以下とかなり厳しく制限されているにもかかわらず、キャットフードにはやはり150μm以下なら使用してよいことになっています(ペットフード安全法規定)。

没食子酸プロピル

BHT、BHAの上を行く強力な酸化防止剤です。油脂の酸化を防ぐため、バターなどに用いられています。DNAの異常につながるともいわれ、食品に添加することを疑問視する声も出ています。

ビタミンC

BHT、BHA、エトキシキン、没食子酸プロピルなどの危険性が指摘された今では自然な成分で酸化防止を試みるキャットフードが増えてきました。その中でも人気があるのがビタミンCです。ビタミンCは国内外を問わず広くキャットフードに添加されていますが、ビタミンCそのものを猫に摂取させようとしているわけではありません。(ビタミンC自体を摂取するためには何か物質に添加するのではなく、ビタミンC単体で体の中に取り込む必要があります。)ビタミンCには優れた酸化防止効果が見込めるからです。ただしビタミンCが自然な成分であるとはいえ、キャットフードでは天然の資源から抽出したビタミンCだけでなく人工的に合成したものを用いている場合があります。

ビタミンE

ビタミンCには酸化防止効果がありますが、酸素に触れるとビタミンC自体も酸化してしまいます。そんなビタミンCの酸化を防ぐために用いられるのがビタミンEです。ビタミンCとビタミンEを複合的に用いることでより強力な酸化防止効果を得ることができます。

脱酸素剤を使用して酸化を防ぐ

鮮度保持剤としてよく使われている脱酸素剤。品質保持を重視している小分けのキャットフード等に用いられています。キャットフードのパッケージに含まれていないときは自分で用意して保存容器にキャットフードとともに入れても酸化を防ぐことができます。
脱酸素材のもとは鉄と炭素です。水分をあまり含んでいない食品向けで緩やかに酸素を吸収する遅効型、水分を多く含む食品向けで酸素の吸収速度が速い即効型、酸素も炭酸ガスも吸収できる複合型の3タイプがあります。脱炭素剤は鉄が酸素と結びつくときの化学反応を利用していますので、全ての鉄が酸素と結びついてしまうとその後の効き目はなくなってしまいます。一番持ちのいい複合型でも効力の最大持続期間は10日程度です。効き目が切れてしまった脱酸素剤をいつまでもパッケージの中に入れておいても酸化防止効果は望めません。

不活化ガス

海外のキャットフードの中には酸化防止のために不活化ガスを用いているものがあります。スナック菓子の袋を膨らませている気体といえばわかるでしょうか。中身の商品がつぶれないよう、クッションとしての役割を果たしていることも。ただし不活化ガスが入っているキャットフードでも何かしら酸化防止剤が配合されているので、2重の酸化防止対策はあまり意味のないものであるという指摘もあります。


酸化防止加工が施されているキャットフードは確かに酸化しにくくなりますが、使用されている添加物には危険なものもあります。一方で無添加のキャットフードは猫の体に影響を与える添加物を使用していない分、酸化しやすくもあります。どちらを選ぶかはあなた次第です。