自分で計算できる!キャットフード給与量の基礎知識

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あなたは猫にどのぐらいの量のキャットフードを与えていますか。キャットフードのパッケージには給与量の目安が書かれていますが、同じ体重の猫に与える量が商品によって違うのはなぜでしょうか。キャットフード給与量の基礎知識についてまとめてみました。

キャットフードのパッケージでMEの表記を確認しよう。

MEとは

キャットフードの適切な給与量を計算するときに、まず見てもらいたいのはMEという値です。これはキャットフードに含まれる代謝エネルギー量(Metabolizable Energy)を示しています。キャットフードのパッケージには大抵100g単位で表記されているはずです(例:450kcal/100g=100gに450kcalの代謝エネルギーが含まれていることを意味する)。
代謝エネルギーとは原材料が持つ総カロリーとは違い、猫が便や尿などで排出してしまう「無駄なエネルギー」を除いた値です。つまり猫の体の中に吸収され、実際に利用されるエネルギーの量がMEなのです。消化吸収率の良いキャットフードはMEの値も高くなります。

食の細い子にはMEが高いキャットフードを

MEの値が高いキャットフードは消化吸収率が高いので、食事回数が少ない猫でも十分エネルギーを摂取することができます。食欲が減退しているときや、もともと食の細い猫にはMEの値が高いキャットフードを選んであげるとよいでしょう。
逆に食いしん坊で日に何度もキャットフードを要求するような猫にとって、MEが高いキャットフードは肥満の原因となります。たくさん食べさせて満足させてあげたい場合は、MEの低いキャットフードを選びましょう。

RER=「安静時に猫が1日に必要としているカロリー量」を知ろう。

RERの計算式

次に猫の体が必要としているカロリーについて知りましょう。この計算にはRER(Resting Energy Requirement)=「安静時エネルギー要求量」という値を使います、RERは猫が活動せず、生命の維持と食物の消化に限定してエネルギーを使用している状態で必要とするエネルギー量を表します。
RERは猫の体重の0.75乗に70kcalをかけることで計算できます。以前は80kcalをかけるのが一般的でしたが、最近の猫は室内で飼われることが多く運動不足。70kcalで計算しても十分であると考えられています。

RERを計算する方法

0.75乗を計算するならエクセルなど表計算ソフトを使うと便利です。表計算ソフトで
=猫の体重^0.75×70
を入力するとRERを求めることができます。
また、計算機しかない場合は以下の手順でRERを計算することができます。

  • 猫の体重×猫の体重×猫の体重→計算結果が出たら√を二回押す(これで猫の体重の0.75乗が計算できる)→×70する

DER=「猫が健康的な生活を送るうえで必要なカロリー量」を知ろう。

RERが計算出来たら、実際に猫が活動するうえで必要なカロリー量であるDER(Daily Energy Requirement)を考えます。
DERはRERに猫の現状に合った係数をかけて求めることができます。

DERの求め方
成長期 生後4カ月未満  3.0×RER
    4~6カ月     2.5×RER
    7~12カ月     2.0×RER
避妊・去勢していない成猫 1.4×RER
避妊・去勢済みの成猫   1.2×RER
肥満傾向         1.0×RER
高齢           1,1×RER
妊娠中          2.0×RER
授乳中(自由に食べさせる)2~6×RER
(引用元:ねこのきもち『愛猫の栄養学辞典』)

MEとDERからキャットフードの適正な給与量を考える。

では具体的にキャットフードの給与量を計算してみましょう。ME=450kcalのキャットフードを去勢済みの4kgの雄猫に与える場合を考えます。
この猫が必要としているエネルギーDERは
70×4kgの0.75乗×1.2=237kcal...①
MEはキャットフード100g中に含まれるエネルギーですから、100で割ってキャットフード1g当たりにどれぐらいの代謝エネルギーが含まれているかを算出します。
450÷100=4.5kcal...②
①を②で割ると適切なキャットフード給与量が出てきます。
237÷4.5=52g
この猫には1日あたり 52gのキャットフードが必要だということが分かりました。

キャットフードのパッケージにおける給与量について

キャットフードのパッケージに書いてある給与量と計算結果が一致しない?!

上の計算に従えば、自分でキャットフードの給与量を計算することができますが、そうして出した値がキャットフードのパッケージに書いてある給与量の目安と一致しない可能性があります。
これは各社におけるRERの計算式が統一されていないことが一因となっています。上記で紹介したRERの計算式は一例にすぎず、

  • 70×猫の体重(0.75乗しない)
  • 70+30×猫の体重
  • 60×猫の体重

などRERを求める式は複数存在するのです。どのRERを採用するかはキャットフード製造会社によりまちまち。他にもキャットフードの特徴に応じて各社給与量を調整しているため、計算結果とは違う給与量がパッケージに書かれていることがあるのです。

キャットフードのパッケージに従っているだけではだめなの?

各キャットフード会社では自社の商品が正しく使用されるように、パッケージに給与量の目安を示しています。これに従ってキャットフードの量を決めるのはもちろん理にかなっています。しかしこの給与量は猫が適正体重を維持していることを前提に書かれたものです。
DERの計算式で見たように、猫の現状によって、掛けるべき係数には大きな差がありました。肥満気味の猫と、活発に行動する猫ではDERの計算結果がかなり変わってきます。キャットフードのパッケージに従って現在の猫の体重をもとに給与量を決めるだけだと、この差を無視してしまう場合があります。基本的に給与量はキャットフード会社の指示に従いつつ、肥満になっていないか注意を怠らないようにしましょう。

キャットフードの給与量計算を活用しよう

おやつを与えるとき

自分でキャットフードの給与量を計算できると、おやつを与えるときに便利です。猫のDERは総合栄養食(普通のキャットフード)から90%、おやつから10%程度賄うようにするとよいとされています。このバランスが主食からのエネルギー供給をメインにした食生活につながるのです。おやつのカロリーも把握して、どれだけ総合栄養食を減らせばよいのか計算してみましょう。

複数のキャットフードを与えるとき

キャットフードの切り替え時には、以前から食べていたキャットフードと新しいキャットフードを混ぜて、徐々に新しいフードの割合を多くしていくという方法を取ります。パッケージに書かれているキャットフード給与量は1種類のキャットフードを与えるときにしか対応していないので、全体的にどれだけのカロリーを猫が必要としているのかを把握して自分で計算ができると大変便利です。
食欲のない猫に1日のうち1回だけウェットフードを与えるときなどにも、DERを活用するとよいでしょう。

キャットフードの給与量の計算方法を知っておくと便利

キャットフードの給与量は基本的にはキャットフードのパッケージに従っておけば問題ありません。しかし猫が太りだしたり、痩せだしたりしたら一度キャットフードの給与量を考え直した方が良いでしょう。給与量を自分で計算できると、おやつや複数のキャットフードを与えると きにも活用でき、便利です。興味がわいた人は、現在猫に与えているキャットフードの給与量を計算してみてくださいね。