キャットフード≠猫が食べるもの? キャットフードの定義とは

top画像

猫の健康維持のためにはキャットフード選びが重要ですが、そもそもキャットフードとはなんなのでしょうか。キャットフードの直訳は「猫の食べ物」、しかし猫が食べるものすべてがキャットフードと言えるのかというと、実はちょっと違うようです。

キャットフードの定義

まずはペットフードの流通について重要な役割を果たしている規約・法律でペットフードの定義はどう定義されているのかみてみましょう。
  

「ペットフードの表示に関する公正競争規約」の定義

「ペットフードの表示に関する公正競争規約 」は消費者がペットフードを適切に選ぶことができるようペットフードの表示の基準を定めている規約です。現在はペットフード公正取引協議会によって運用されているペットフード業者間の自主規約となっています。

「ペットフードとは、穀類、いも類、でん粉類、糖類、種実類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、その他の添加物等を原材料とし、混合機、蒸煮機、成型機、乾燥機、加熱殺菌機、冷凍機等を使用して製造したもの、又は天日干し等簡易な方法により製造したもので、一般消費者向けに容器に入れられた又は包装されたもので、犬の飲食に供するもの又は猫の飲食に供するものをいう。」(引用:http://www.pffta.org/pdf/kotorikiyaku1122.pdf)

製造したもの、という部分がこの定義のポイントです。猫が食べるものには魚や肉など加工していない食品もありますが、これらは規約の定義から言えばキャットフードとは呼ばれません。あくまで猫に必要な栄養素を与えるという目的で、猫用に加工されたものをキャットフードと呼びます。水についても栄養成分を付加していたり、嗜好性物質を配合するなど猫用に製造されたものはキャットフードの範疇に入りますが、ただの天然水はキャットフードではありません。また歯磨きガムや噛むことを楽しむおもちゃなど猫が口にすることを前提としていても、栄養摂取目的で製造されたものでない商品はキャットフードとはいえません。

ペットフード安全法の対象となる愛玩動物用飼料(ペットフード)の定義

では法律の世界ではどういう定義がなされているのでしょうか。2009年に施行されたペットフード安全法では、愛玩動物用飼料(ペットフード)を「愛玩動物(犬・猫)の栄養に供することを目的として使用される物」(法第2条第2項)と定義しています。この定義は「ペットフードの表示に関する公正競争規約」に比べ大変広くなっています。農林水産省による安全法の解説によれば対象となるペットフードには加工の有無を問いません。さらにミネラルウォーター、ガム、サプリメントなどもペットフードに含まれることになります。ペットフード安全法の目的は粗悪なペットの食べ物を排除することですから、対象となるペットフードに広い定義を持たせている方が安心ですね。
一方栄養摂取目的でないおもちゃや猫草、またたびなどはペットフードに含まれず、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」と類似の扱いとなっています。

キャットフードと食品との違い

上記で見たように、ペットフード公正取引協議会はキャットフードを「猫に必要な栄養素を与えるという目的で加工された物」と定義しています。そのため、普通の食品とキャットフードには様々な違いがあります。

「~以上」「~以下」という成分保証のための表記

人間用の食品には「たんぱく質〇g」などの表記がされていますが、キャットフードのパッケージでは「たんぱく質〇g以上」という書き方がされているはずです。これはそのキャットフードが猫に必要な栄養素の合有量を保証しているという意味に他なりません。猫に必要な栄養の量はAAFCOなどによって提示されていますから、飼い主はこの表示をもとにそのキャットフードが猫の健康維持に必要な栄養素をちゃんと満たしてくれているかを確認することができるわけです。また猫にとって摂取しすぎると害になる成分は最大量を考慮し「~以下」の表記をとり、過剰な量が含まれていないことを保証してくれています。(ペットフードにはたんぱく質、脂肪、繊維、灰分、水分の5つの要素を表記することが義務づけられています。)

「粗」の表記で分析精度を表す

キャットフードは食品と違い、「たんぱく質」でなく「粗たんぱく質」という成分表記をします。というのもたんぱく質を測定するとき、実はアミノ酸など別の物質も同時に測定することになるからです。分析上の精度を表すため「粗」という言葉を使い、より正確に飼い主にキャットフードの成分を伝えているのです。これもキャットフードが猫に必要な栄養素を保証するという役割を持っているが故です。

体重別の供給量を表示

キャットフードは猫に適切な量を与えなければなりません。人間ならば自分で食べる量を調整しますが、猫の場合は飼い主が量を調整してやる必要があります。そのためキャットフードには猫の体重や年齢によって与える量の基準が示してあるのです。

原材料には経済性・栄養価値・安定性が求められる

キャットフードの役割は猫に必要な栄養を安定して与え続けることです。そのためキャットフードの原材料は猫にとって栄養価値が高いか、経済的・効率的か、天候に左右されず安定して供給できるかをポイントに選ばれます。味や見た目を重視して選ばれる人間の食品との違いが分かりますね。
最近では人間が食べられる原材料をもとにしたキャットフードなら安全という考え方からヒューマングレードキャットフードも人気がありますが、キャットフードの役割という観点からいえば、キャットフードと人間の食品とは少し違うものなのです。

キャットフードはただ猫の食べ物というだけでなく、猫に必要な栄養を保証してくれるものでした。キャットフードを選ぶときはこの定義を思い出し、猫の健康を維持できるフードを探してみてください。

【参考文献】
http://www.gardencinema.jp/ranking.html